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一生に一度の買い物なんて言ってましたが、、、
といろいろな表現で形容されている住宅ですが、木造住宅の価値は不動産売買の上では、約25年程度でゼロ査定になってしまいます。
しかし、そうは言いつつも、住宅ローンも今は最大35年間が可能ですし、築25年を過ぎた住宅でも、経年劣化はあるものの、多くの人が特に大きな問題もなく住み続けているのも事実です。
そういう住宅の善し悪しを見極めるには、なかなか外観だけで分からない部分があり、この建物は後どの程度もつのだろうか。あるいは地震が来たらどうなのだろうか、しっかりした造りなのだろうか、といった事がなかなか素人の人には分かりません。
建てられた時期 公庫仕様の有無 で変わります
2002年(平成14年)以降の住宅
今の建物と同水準の仕様で建てられています。
1885年(平成60年)から 2002年(平成14年)の住宅
建物の長持ち度の仕様はあまり変わりません 耐震性は、2割程度低下しています。
1993年(平成3年)以前の建物は、
断熱性も少し低いです。
1885年(平成60年)以前の住宅
相対的に現在の仕様水準の6割程度のレベルです。
それは、銀行が今のように住宅ローンに熱心でなかったバブル期以前は、住宅ローンと言えば住宅金融公庫や財形融資、あるいは郵便局の積み立て融資など、公的融資がほとんどです。そのために、建物を建てて売るため、注文住宅を受注するため、 公庫仕様で作る必要性があった訳です。
そのおかげで、ほとんど銀行融資の時代になっても、耐久性仕様だけはしっかりと根付き、今で言う性能表示の耐久性仕様(劣化の低減)は、ほとんど例外なくどんな建物でも等級2又は3というハイレベルな性能を持っているのです。
書類の有無しが 決め手になる。
その住宅の建てられたときの書類がどの程度残っているか、ということはその住宅が、どのような図面や仕様で建てられたのかという建物の計画時の優良度を測る一つの指標になります。
表示その書類は、
建築確認申請書の有無、
公庫融資の申請書の有無、
完了検査済証の有無、
図面上の筋交いの有無、
図面枚数、
の5点です。
そして、リフォームで注意するポイント は次の通りです。
''建築確認申請書の有無''
あまりに古い住宅だと、そんなものは必要もないので処分している場合が多いですが、少なくとも築15年前後までの建物で、建築確認申請の書類が無い場合は、違法に建てた住宅であったり、キチンと仕事をしてキチンと書類を建築主に渡した、という普通の行為が出来ていない建物の可能性がすこしあります。
''公庫融資の申請書''
注文住宅であれ、建売住宅であれ、昔は比較的公庫融資が多かったですし、公庫融資を受けた場合は、一定の仕様を守る必要があります。
そして、今と違い、住宅金融公庫が住宅の品質をリードしていた時代ですから、もし、公庫融資を受けていた建物なら、その当時の高い水準の仕様を守って建てられていたと推測されます。
''完了検査済書がある''
建物が完成すれば役所の完了検査を受け、検査に通れば完了検査済証というものが発行されます。
今でこそ手続きが厳格化され完了検査は8割程度の確率で受けていますが、古い建物ほど完了検査を受けていない建物が多いのが特徴です。
(昔の完了検査の受検率は40%~60%程度)
でも、完了検査を受けているかどうかは、最後までキッチリとして仕事をしたかどうかが分かる非常に <<大事なポイント >>です。
なぜなら、昔は完了検査など受けなくても、建築主にとっても融資も受けられ、工務店にとっても支払をしてもらえるので、完了検査を受けなくてもお互いに デメリット は何もなかったのですが、
それでも最後まで キチン と完了検査を受けたということは、それまでの工事も キチン としていたであろうという推測してもおかしくないと考えられるからです。
''図面に筋交いなどが書かれている''
建売住宅などでは、筋交いの位置などを書かずに、適当に現場任せで建てていた会社もあります。筋交いの記号を図面に書いていたから耐震性が高いとまでは言い切れませんが、その建物を建てた会社の姿勢が見分けられる書類の一つです。
''図面が10枚以上ある''
図面が多いほど、しっかりと設計された証拠です。建売住宅などでは確認申請書に付いている図面だけしかない、という場合が多いですが、注文住宅では比較的多くの図面がつくられます。
リフォーム と 点検口 の有無
最近は中古住宅でも リフォームをして、きれいにしてから売り出されている建物が多いですね。
特に築年数の古い建物はその傾向が強いですね。
でも、建築士という専門的な立場、住宅を建築している物の眼で言うと、リフォームで その建物のすがたを覆い隠して、価値を見えなくしています。
時には、床下点検口(右の写真)も無く、天井点検口も無い リフォームをし、あっても何所から上がるの、といううのが有りましたが、
考えれば、汚いもの、見せたくないものに蓋をして誤魔化さざるを得ないような建物だったのか、と勘ぐってしまいます。
つまり、このような点検する場所もつくっていないリフォームは、何かマズイものを隠している・・と対象で見ています。
なぜなら、床下がのぞけなければ、シロアリ被害があったのか、土台が湿気で腐っていないのかということは調べようがありませんし、
天井点検口が無ければ、天井裏がしっかりした仕事をしていたのか、雨漏りの形跡がないのかを調べることが出来ないのです。
床下、小屋裏は、完成後に大工さんや工務店の仕事ぶりが分かる場所です。
つまり、きれいに リフォーム をしているけれども、床下点検口も天井点検口も無くしてしまった住宅は、悪いところを隠してしまった危険な住宅かも?
仮にそうではなくとも、築年数が古くなればなるほど雨漏り リスク や土台などの腐朽リスク が高まります。築年数が新しい建物よりも、古い建物ほど点検口の必要性が高くなっています。
リフォームをするにしても点検口も設けていない リフォームは、< 次に住む人のことを全く考えない > と言えます <中古住宅の項目>
経年劣化でおこる修理あれこれ
代表的な修繕項目は、次のようなものです。 [#yb6fe6ff]
築10年前後から出始める がたつき、 キグ類の故障
外装面 .雨樋の 割れやつまり 、 害補記のひび割れ、 外装面 . シーリングの劣化 、 フードなどへの鳥害
内装面 .頻繁に通るような場所の床のきしみ音 、 . ドアの緩み、ガタツキ 、 ドアクローザーの不良
設備面 .蛇口のパッキンの摩耗による水漏れ、カランの緩み 、 . エアコン、食器洗浄機など機械ものは故障が出始めます
築15年前後
外装面 .外装材の塗り替えなどが必要になってくる時期
設備面 .エアコン や湯沸かし器などは交換時期を迎えます
敷地 .水道、排水など での異常な出水
敷地境界 .土留め、擁壁、などの かたむき